学部
2年次前期終了までは共通で、化学基礎系、生物化学系、化学工学系のみならず数学、物理など基盤領域を幅広く習得するカリキュラムとなっています。2年次後期開始時に3つのプログラムに分かれ、それぞれの専門教育を受けます。その後化学プロセスを構築する上で必要となる知識を得るための化学工学系科目(化学工学量論、流動論、伝熱論、物質移動論、化学工学熱力学、反応工学、粉体工学など)や環境に配慮した化学プロセスや環境を保全するための化学プロセスを構築する上で必要となる知識を網羅した講義科目(再資源化学、グリーンテクノロジーなど)を履修することにより、幅広い基礎知識と、高度な専門知識・技術を調和よく身につけるカリキュラムとなっています。
講義で得た知識を応用する能力を養うために化学装置設計・実習および化学工学実験を行います。3年次の化学工学実験開始時には企業からの外部講師による安全教育が行われます。また産業界(企業)からの非常勤講師による現場の実体験に基づく化学プロセスに関する特別講義と、工場見学を目的とした研修旅行があり、併せて様々な問題の実例を題材とした工学倫理教育を教員や学生同士とのディベート形式で行います。そして、化学工程設計では教員と大学院学生の指導のもとに小グループで実際に化学プラントを設計します。4年間の集大成として、先端技術開発を目的とした卒業研究に取り組むことになります。
これらの教育・研究を通して、化学プラント設計の技能だけでなく、グローバルな視野、創造性、リーダーシップ、協調性、プレゼンテーション能力などが養成されます。
こうした独特の教育を受けた卒業生の大半はさらに大学院に進学して高度な教育を受けた後、様々な産業分野で技術者・研究者として活躍しています。

大学院
化学工学プログラムでは、物質とエネルギーの移動・変換・循環に関する化学・物理・生物の原理・原則を基礎として体系化された「化学工学」の高度な教育を行っています。特に、「環境にやさしい化学」という大きなコンセプトのもと、環境・エネルギー・資源問題を直視しながら、エネルギーの創出・有効利用技術、化学材料の合成・製造システムの設計、新しい機能性材料の創製、さらには人類の活動に伴う環境諸問題を克服する技術の研究開発に挑戦しています。
本プログラムは、熱流体材料工学、高圧流体物性、ソフト材料プロセッシング、分離工学、微粒子工学、界面系プロセス工学、サステイナブル材料プロセス工学、グリーンプロセス工学の8つの研究室で構成されており、ナノテクノロジー、超臨界流体利用技術、高分子ゲル、高度物質分離、微粒子工学、環境工学などのミクロスケールからマクロスケールまでの先進的な化学プロセスを扱う研究開発を互いに協調しながら行っています。
本プログラムの教育は、「化学工学」を基礎知識とし、新材料や高度プロセス技術の開発を通して、環境・エネルギー・資源問題を解決した循環型社会を構築できる高度専門技術者を育成しています。さらに、物質のミクロ的な視点とともにマクロ的・グローバル的な視点から、産業や地球環境などのより高度な諸問題を柔軟にかつ俯瞰的に解決でき、指導者として国際的に活躍できる高度専門技術者、研究者を育成しています。
化学工学プログラムでは、次の方針に基づいて教育を行います。
- 専門知識の育成
o 化学工学や関連分野の専門的な知識を学べる授業を提供します。
- 広い教養と社会貢献
o 幅広い知識を身につけ、「持続可能な発展を導く科学」の創出に貢献できるように、様々な分野の授業(「大学院共通科目」、「研究科共通科目」)を用意します。
- 異分野の学び
o 他の分野の授業(他プログラム専門科目)も必修として、幅広い視野を持った人材を育てます。
- 実践力の向上
o 実践的なスキルを高めるための特別演習を行います。(化学工学特別演習A、B)
- 研究指導体制
o 複数の教員による指導で、広範な課題発見能力を養います。(化学工学特別研究)
- 国際的な能力の育成
o 国際的な視野を持つための授業を提供します。
- 社会実践能力の養成
o 社会で役立つスキルを身につける授業を行います。
授業内容は、アクティブ ラーニング、体験型学習、オンライン教育などを活用して進めます。学びの成果は、シラバスに基づいた評価基準で厳格に評価します。また、学位審査は研究科の基準に従って行います。
